Archive for September 2005

29 September

オペラ座の怪人

娘が買え買えとウルサイので、買ってしまいました・・・。特別盤のある高い方を。
まだ特別盤しか見てません。(本編は映画館で観たしなあ。)

ちょっと興味深かったのは、映画制作にかかわった人たちがリレーでテーマ曲を歌う企画。監督・出演者から、大道具・小道具のスタッフまで。歌える人の方が比率的には少ないわけで・・・。そんななか、「音」にかかわるスタッフさんたちは、(声量や発声法はともかく)音程はばっちり合ってた。さすが!!
(家事をしながら、BGMで聞いてましたが、「うまいなあ」と思って振り返ると、役者さんか、「音」関係のスタッフさんでした。)
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25 September

ルパン

十代の頃、シヤーロック・ホームズより、アルセーヌ・ルパンが好きでした。創元の推理文庫から出ているルパンシリーズは全巻読破しましたっ。初期ルパンのイメージは、「かっこいいお兄さん」系だったのに、原作も後期作品になると一人称が「わし」になって、「オッサン化はいやじゃー」と心中で涙したこともあります。

そんな「ルパン」マニアの私でありますが、映画のテーマは「ルパンの人生」みたいな感じでした。幼少期から、壮年期まで時系列ではけっこう長いです。カリオストロ伯爵夫人(欲と色がらみでひっかけたマダムはとんでもない人だった!)と王党派とルパンの三つどもえのお宝争奪戦がストーリーのメインですが、父親へのあこがれと対立とか、従妹クラリスとのラブストーリー(こっちは純愛?)とか、内容てんこもりです。ストーリーの原作ベースは、「カリオストロ伯爵夫人」。でも、あちこちに「奇岩城」、「水晶栓」、「813」、「緑の目の令嬢」など、有名な作品のエッセンスもちりばめられていて、ルパンマニアなら「おっ、ここはあの作品がチラッと使われているじゃないか!」とニヤリとすること請け合いです。

あと、カルティエの宝飾類がやたら豪華なこと!と、ハリウッド映画と違い物語の内容がかなり複雑で、伏線一杯、誰が敵か味方かよくわからんところ、ハッピーエンドじゃないところがイイです。(アメリカ映画は、よくもわるくも、わかりやすくて単純なので。)

良くなかったのは、ルパン役のロマン・デュリスのモミアゲの形(存在感ありすぎ)と胸毛(すいません、生理的に苦手なんです。せめて胸毛3割減なら・・・)。その他のキャストティングに不満はありません。クラリス役のエヴァ・グリーンは一途な感じ、カリオストロ伯爵夫人役のクリスティン・スコット・トーマスは得体の知れないマダムな感じという対照がよくでていたし。
あと、個人的問題ですが、全編フランス語なので、字幕抜きでは理解不能だったところ。英語なら、原語を理解しつつ、わかりにくいところは、字幕を見るくらいですませることができるんですが・・・。原語ならではの妙が味わえなかったのは、残念かなぁ。
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21 September

「エロイカより愛をこめて」ケルティック・スパイラル

少佐ファンの私ですが(なんせ10代の頃からだから年季入ってます)新刊は、伯爵ファンの方に特にお薦めです。

最近、貧乏神の化身・ジェイムズくん、トーヘンボクの代表・少佐、それに宇宙人・ロレンスたちのキャラに押されがちで、「優雅でゴージャス」なキャラを十分発揮できてなかった伯爵でしたが、今回は、違います!「ケルト」にちなんだ素敵なコスプレの数々!そして、持ち前の美貌で、おばさんを手玉にとる(本人はおばさんよりは美青年を相手にしたいのでしょうが、残念)!やっぱり伯爵には、こういうのが似合いますね。(最近、女装の多かった伯爵ですが、私は彼の女装はキライ!部下Gまでがギリギリの譲歩ライン。)

・・・と伯爵のことばかり書いてしまいました。新刊での少佐は、デスクワークメインだったので、ちょっと抑え気味。やっぱ、少佐は動き回ってナンボのもんでしょ。

ケルトについては、ちょっと関心あります。指輪物語やハリポタなんかのヨーロッパ・ファンタジーの底流には、ケルト神話があるわけだし。近所の本屋の児童書コーナーに並んでいるケルト神話題材の本(5冊くらいある)が2−3年まえから気になってはいるんだけど・・・まだ購入する勇気がないのでした。


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19 September

「運命 二人の皇帝」田中芳樹

幸田露伴の格調高い文語調の小説をジュブナイル・ノベル化(「痛快 世界の冒険文学」なるシリーズの一冊として刊行)したもの、ということだそうです。舞台は中国・明代初期、建文帝(甥)と燕王(叔父・後の永楽帝)の帝位争い「靖難の役」を描いたものです。
・・・というウンチクを知らなくても十分楽しめる一冊です。身内の権力闘争というテーマは古今東西問わずよくあるお話ですが、このお話では叔父(燕王)と甥(建文帝)どちらか一方に「正義あり」というふうには描かれていません。数々の武勇を誇る叔父と粛正に粛正を重ねた祖父の治世の反動から慈悲深い政を重視する甥。もちろん戦の結果としての勝者・敗者は存在するのですが、物語はそれで終わりません。
互いの正義をかけて両者が激突した「靖難の役」が終わった後、流浪の旅に出ることを余儀なくされた建文帝と、権力を握った永楽帝とその後継者たちの行く末についてはまさに題名通り「運命」の不思議さを感じるストーリーとなっています。

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17 September

「復讐鬼」斉藤栄

タロット日美子シリーズの最新作。「タロット日美子」の読者には懐かしい「枕草子殺人事件」の犯人が刑期を終えて出所してきて、逮捕のきっかけとなった人々を襲う、というはじめから犯人の名前だけははっきりとしている筋立てです。「名前だけ」と書いたのは、犯人はそいつだとわかっていて、その証拠まで残されているのに、どこにいるのやら大詰めまで皆目見当がつかないからです。

さて、「推理小説家」だったはずの斉藤栄氏ですが、近年その作品には彼独自の宗教観が強く投影されるようになり、ついには「神さまへの手紙」という本まで書いてしまいました。本作でも彼の宗教観がベースに話が進んでいきます(主にタロットや日美子の家族関係の話の方で)。氏の宗教観には共鳴するところがないわけではないのですが、推理小説中ではちょっと濃すぎるかなぁと思ったりします。


06:50:34 | mutsuko | | TrackBacks