Complete text -- "ルートヴィヒII世"
12 May
ルートヴィヒII世
この作品は、いきなり「ルートヴィヒII世の死」で話が始まるので、えっ?と思いましたが、1866年から1886年までの20年間のルートヴィヒII世に関するエピソードをオムニバス形式で綴ったもの。ルートヴィヒII世といえば、バイエルンの狂王、エリザベートの従弟。外見は美しいのに内装はホラーワールドなノイシュバンシュタイン城を建てたお方(権力をもっている変人がやることは庶民には理解不能)、というのが私のこれまでのイメージ。
この作品に出てくるルートヴィヒII世は、性格・性癖はともかく、現実にバイエルンがどういう状況に置かれているか(プロイセン、オーストリア間の勢力争いに挟まれた小国)には興味が持てないひと。現実世界の醜さが許せなくて逃避行動に走ってしまう人。でも、王としての矜恃は人一倍ある・・・というような感想をもちました。
自分の国が歴史の荒波に飲み込まれ、消えていく運命を予感している・・・というのは、「エリザベート」の主題とも共通しているところかな(それとも後世の私たちが、彼らをひっくくってそう見ているだけ?)
読み終わって、表紙を眺めてはじめて気づきました。これってBLだったのね。中央下にとってもちっちゃく印刷されていた。(内容見て気づけって感じですが、ルートヴィヒII世が主人公だから「耽美」なのはあたりまえかと思ってた。)
14:52:30 |
mutsuko |
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